異国の地アーヘンで病院にかかるのはかなりハードルが高いですね。医療水準はとても高いので問題はないのですが、そもそもドイツ語なので言葉の壁は大きいです。
病院の種類
Praxis:近所の開業医、Krankenhaus:紹介状が必要な大きな総合病院、Uniklinik:大学付属の大学病院があります。
Praxis:近所の開業医
体調が悪いなと思ったら初めに行くのがPraxisです。外来のみで入院設備はありません。Praxisで検査をして、もし何かある場合は紹介状を書いてもらい、総合病院か大学病院を受診します。
アーヘンのPraxisは予約が必須なので、オンラインで予約を取ります。オンライン予約がいっぱいの場合もしくはオンライン予約の該当項目がない場合は、電話で予約交渉すると取れる場合があります(英語は通じます)。
ホームドクター
ドイツの公的保険では、ホームドクター制度が設けられています。アーヘンに留学する場合は、ホームドクター(かかりつけ医)を見つけてください。
健康診断時または保険会社にホームドクターを申告することがあります。アーヘンでは、近所の内科を1度受診するとそこがホームドクターになり、今日は休診だから他の内科を受診したい、と思っても受診することはできません。もし、他のクリニックを受診した場合はそこがホームドクターになることがあります。ホームドクターは簡単に変えることはできないのでお気を付けください。もしホームドクターが休診日の場合は救急外来で診てもらえます。
小児科も同様で簡単に変更することは難しいです。
Krankenhaus:総合病院
入院施設がある病院で、突然行っても受け付けてはもらえませんのでご注意下さい。総合病院にかかる場合は、必ずPraxisで紹介状を書いてもらいます。総合病院で手術や出産をした後に通院が必要な場合は、再度Praxisに通院します。
休日・夜間の救急外来があります。
出産
妊婦検診はPraxisで受診し、出産は総合病院に転院します。
Uniklinik:大学病院
Praxisや総合病院から紹介状をもらい受診します。妊婦検診で何か異常が見つかると必ずUniklinikでの出産になります。
夜間・休日診療をしています。
保険
病院は無保険では受診できませんので、必ず保険に加入する必要があります。
保険の種類(公的保険とプライベート保険)によって受診できるPraxisが変わります。Praxisによってはどちらの保険も可・片方のみ可がありますので、必ず予約前に確認して下さい。
保険に加入するのは非常に大変なので、留学生は大学でどなかたにお手伝いしてもらうか、大学に併設されている保険会社で加入するといいです。
公的保険(gesetzliche Krankenversicherung)
ドイツ国民の9割が加入している保険です。年収によって支払う額が変わるのですが、比較的安価で補償内容もしっかりしています。
学生・無収入の方は最低保険金額が設定されます。政府が設定している学生の生活費992€ / 月を元に計算され、だいたい保険料は110€/月です。
公的保険は30才以下まで加入可能なので、研究留学でアーヘンに滞在する方で30才以上の方はプライベート保険に加入することになります。
プライベート保険(Private Krankenversicherung)
民間企業が行っている保険です。年齢制限はなく誰でも加入できますが公的保険に比べると高く、2倍の保険会社もありますが、補償内容が幅広くいろいろな場面で優遇されます。
病院にかかる手順
どこの医院(Praxis)でも予約が必要なので、まずは予約しましょう。Onlineか電話になりますが、まだまだ電話だけの医院もあります。たいがい英語で予約は取れると思いますが、もし通じない場合は直接行ってドイツ語で予約を取るといいです。対面だとほぼ通じます。
小児科は新規の予約を取らない病院が多くなりました。何件電話しても、「新規は取っていない」、と断られることが頻繁にあります(2024年現在)。ただ、ドイツ語で交渉すると取れる確率は高いです。
幼稚園入園には必ず予防接種のドイツ語転記が必要なので、断られても頑張って交渉してみてください。
公的保険 / プライベート保険のどちらかに必ず加入します。
外部サイトjamedaで、aachen xxx(かかりたい科の名称)、で検索します。こちらのサイトから予約できる場合もあります。
内科:Hausarzt(全般を見てくれる医院)
小児科:Kinderarzt
整形外科:Orthopäde
皮膚科:Hautarzt
耳鼻科:HNO Arzt
産婦人科:Frauenarzt
歯医者:Zahnarzt
電話するのが早いのですが、語学が心配な方はOnline予約が確実です。まだまだ電話のみの病院も多いので、その場合は直接行って予約するといいです。対面なら何とかなります。
病院のサイトから、またはstep2のjamedaからできます。新規の方は電話のみという病院もありますのでお気を付け下さい。
英語が通じない受付もいますが、何時に予約したxxxです、と保険証と共に伝えてください。
先生はほとんどが英語が通じますが、あまり上手でない人もいます。
受診が終わったら受付に寄らずに帰宅して下さい。日本とは違い、医療費は全額無料なので受付で支払いをする必要がありません。待ってても何も言われないので帰りましょう。
薬が処方されている場合は処方箋を持って薬局(Apotheke)に行きます。薬も無料なので、受け取ったら帰宅しましょう。
薬局でもらう薬は処方箋なしでも購入できます。日本とは異なり、病院で処方されるものと同じものを薬局でも買えます。体調が悪く病院に行く時間がない場合は薬局で症状を説明するといいです。ただ料金が発生します。
救急外来
水曜はほぼどの医院も休診で、金曜午後は休みが多いです。クリニックが休みと言っても体調が悪くなることはありますよね。その場合は救急外来で診てもらえます。
116に電話して、「アーヘンの今日のxx科の担当医を教えて欲しい」、と伝えれば担当医を教えてもらえます。
また、アーヘンでは、Uniklinik、Luiesenhospitalで休日・夜間救急外来があります。小児科は待ちますのでお子様が体調不良の場合は次の日まで待つか考えるといいです。
*携帯は横スクロールしてください。
診療科 | 病院名 | 予約方法 | 住所 | 受付時間 |
---|---|---|---|---|
内科 | Luisen hospital | 電話で受付 ①0241 / 88747368 ②0241 / 88747369 | Boxgraben 99 52064 Aachen | 月、火、木:19.00-22.00 水、金:14.00-22.00 土、日、祝日:10.00-22.00 |
小児科 | Uniklinik | 直接受付 ①エレベーターA4かB4で5階は行く ②Flur11へ行く ③受付 | Pauwelsstraße 30 52074 Aachen | 木、金: 16.30-21.00 土、日、祝日:10.00-21.30 |
眼科 | Uniklinik | 直接受付 | Pauwelsstraße 30 52074 Aachen | 月、火、木:19.00-21.00 水、金: 16.00-21.00 土、日 :9.00-13.00、16.00-21.00 法定祝日(24.12., 31.12.): 9.00-13.00、16.00-21.00 |
耳鼻科 | HNO-Praxis | 電話 024151000088 | 電話で確認 | 水、金:17.00-18.00 土、日、祝日:10.00-12.00、17.00-18.00 |
診療科 | 病院名 |
---|---|
歯科 | こちらのサイトで確認 右側の検索窓に日付を入れれば受診できる歯科が表示されます |
薬局 | こちらのサイトで確認 Ort oder PLZ oder Adresseに郵便番号または地域名を入力すれば開いている薬局が表示されます。 |
アーヘンの病院をお探しの場合はこちらをお読みください。
救急車
かなり焦って電話するかと思いますが、名前、住所、状況をゆっくり説明してください。すぐに来てくれます。無理にドイツ語で説明せずに英語でゆっくりと説明するといいです。
112
名前(Name)、住所(Adresse)をゆっくり言ってください。
症状を説明してください。
ドイツ語が苦手な方は英語で大丈夫です。焦っていると思いますので、ドイツ語の例文をそのまま話したとしても返答が分からないと思いますので英語をおすすめします。
保険証またはパスポートを必ず持参してください。
私の経験談
救急車はすぐに来るのですが、来てからはかなり対応が雑でした(私の場合は、、、)。もし少しでも歩けるようなら、担架を持っていても、歩いて救急車に乗るように言われます。
そして、その場で点滴が必要な場合は救急隊員がやってくれるのですが、失敗した場合は注射器と生理食塩水(?)を投げ捨てて帰ります(私の場合は、、、)。処分するのは自分です。
そして、救急車に一緒に乗って行かなかった場合、どこの病院に運ばれたか確認するのが大変です。運ばれていそうな病院に電話をかけるのですが、運ばれた病院にいたとしても、いない、と言われる場合があります。なぜ?!と思いますが、実際に何度連絡してもいないと言われました。
そして、やっと見つけて受付に行き、ここに運ばれたxxxに面会したい、と言っても、いない、と言われることがあります。目の前にいるのに、、、
と、救急車はしっかり来てくれるのですが、その後が少々大変なので、運ばれてない、と言われても負けないで頑張って聞いて下さい。
まとめ
誰でも風邪はひくので病院は大切ですね。日本とは異なるのでドイツの病院の仕組みを知っておくといいです。特に支払いは必要ないので診察後はすぐに帰宅しましょう。
文:レンガ