ドイツ・ヘッセン州に位置するダルムシュタットは、コンパクトで暮らしやすく、歴史と文化、自然が調和する街です。交通の便もよく、市内にはショッピングエリア、公園、美術館などが点在し、日々の生活も週末のリフレッシュも充実しています。ダルムシュタットの各エリアの特徴や暮らしやすさを、現地目線で分かりやすくご紹介します。

ダルムシュタットで一番人気の地域
Bessungen
市中心から南に位置する、ダルムシュタット最古の住宅地区のひとつ。18世紀にヘッセン=ダルムシュタット方伯が造営した庭園・オランジェリーの手入れをする庭師や鍛冶屋たちが住んだ、古い農村建築の住宅群と教会を中心に発展してきた。20世紀初頭にはイギリスの田園都市運動の影響を受けた3~4階建ての庭付きの邸宅群が地区の東エリア・Paulsvietelを中心に建てられ、いまも当時の姿を保っている。また、第二次世界大戦後に作られた低層の集合住宅、近年の再開発による棟続きの小さな庭付き戸建てなど様々なスタイルの住宅が密集しているが、街路樹が多く、緑豊かな公園が点在している。昼夜とも静かで住民のマナーも全般的によく、非常に暮らしやすい人気のエリアである。
食品スーパーのRewe、Netto、Aldi、高級自然食品スーパーのAlnaturaなど各種スーパーが点在。ドラッグストアチェーンのdm、 ガーデニング用品も揃えたホームセンターのFarbenkrauthがあり、市中心部や郊外の大規模店まで行かなくても日常の買い物は事足りる。 また、オランジェリーでは毎週金曜日に八百屋、チーズ屋、花屋などの小さな市が立ち、近所の買い物客でにぎわっている。また、大きな公園周辺にはパン屋、アイス屋、薬屋、書店、雑貨店などがある。
オランジェリーは、18世紀初めに造られた温室を中心とする美しい庭園式の公園。バロック様式の温室建物の前方に広がる左右対称の花壇には、冬以外は色鮮やかな花々が咲き誇っている。小さな子供たち向けの遊具広場、芝生エリア、ベンチのある木陰もあり、老若男女の憩いの場となっている。
オランジェリーから数分歩くと、バロック様式の小さなお城と中国風あずまやを持つ池のある公園・プリンツ=エーミール=ガルテンがある。滑り台やブランコなどの遊具が充実した遊び場は、近所の子供たちに人気。

オランジェリー公園からBessunger Straßeを進むと、Ludwigshöheの始まりにあたる三叉路「Bessunger Platz」に出る。ここは、路面電車3番の急カーブを間近に見られる“知る人ぞ知る”スポットであり、数百年の時を遡るような(ちょっとした)タイムトラベル気分も味わえる場所だ。
Bessunger Platzについては、こちらをお読みください。

市街に近く便利な地域
Darmstadt Mitte
旧宮殿を中心とする商業地区とその周辺の住宅街からなり、商店、銀行、クリニック、公共施設などが集中しているため徒歩や自転車だけで十分生活できる、非常に便利なエリア。北地区にはダルムシュタット工科大学のキャンパスがあり、隣接する公園・ヘルンガルテンでは学生たちが芝生に寝ころんだり、散歩したりする姿が見られる。

70年代に開業したショッピングセンター・Luisen Centerにはデパート、スーパー、衣料品、パン屋などがテナントになっており、またその周囲は本屋、靴屋、キッチン用品店、宝石店など各種専門店が立ち並び、市内随一のショッピングエリアとなっている。水、土曜日はMarktplatzに野菜、ワイン、チーズ、花屋などの市が立つ。
Luisen Centerから徒歩2~3分の場所に、美術・自然史・動物剥製・化石・鉱物・宗教・歴史など、あらゆる分野を網羅する総合博物館「ヘッセン州立博物館」がある。大人も子どもも一日中楽しめる、ダルムシュタットを代表する文化施設。
ヘッセン州立博物館については、こちらをお読みください。

旧宮殿裏に広がるヘルンガルテンは、ダルムシュタットのInnenstadt最古で最大の公園。もとは宮殿付属の庭で19世紀に一般に開放された。小さな池や児童公園、テラス席のあるレストランがあり、市街地の中の緑のオアシスとして人々に親しまれている。



利便性が良く歴史を味わえる地域
Darmstadt Nord
東のMartinsviertelと西のJohannesviertelの2区からなる、市内で最も人口の多いエリア。
市中心部の北側に位置するMartinsviertelは、19世紀後半の産業革命のころ、郊外からの移住者が流入し拡大・発展してきた。第二次世界大戦での空爆をまぬがれた、古いスタイルの建物が数多く残っており、石畳の細い道には、個性的なカフェやレストラン、自然食品や環境に配慮した品をそろえた店、おしゃれな雑貨店などが並ぶ。美しい外観の古い住宅が連なる街並みは、生活スタイルにこだわりを持つ人々を引きつけ、近年は投機を目的とする資金流入が増加。一部エリアでは不動産価格が高騰し、一般的な収入の勤労者にはなかなか手が届かない、高級住宅地となっている。
西の Johannesviertelでは、Martinsviertel 同様、19世紀後半に建てられた多数のアールヌーボー様式の建物が今日も現役で住居や事務所、商店として利用されている。
一般的な食品スーパーのRewe、Pennyがあるほか、自然食品スーパーのTerra Verde、量り売りや無包装の商品を扱うUnverpackt、アフリカや中東の食材を扱うスーパーなど特色ある商店が多い。
小さな緑地や遊び場が点在するが大きな公園はない。木々や草花に囲まれてリフレッシュしたいなら、隣接するMitte地区のヘルンガルテンまで足を延ばす必要がある。
駅に近く交通至便な地域
Darmstadt West
ダルムシュタット専門大学とダルムシュタット中央駅を中心とするエリア。駅周辺と南北に走る鉄道線路の西側はオフィス、工場、軍事施設、ESOC(欧州宇宙運用センター)などの研究施設がある。地区南部のHeimstättensiedlungは1930年代に開発が始まった、戸建て中心の閑静な住宅地。
大型スーパーのMarktkauf、一般的な食品スーパーのRewe、Lidl、Penny、Aldiのほか、トルコ系スーパーやロシア系スーパー、野菜と果物を主に扱うGeivel Obstなどがある。
Akaziengartenの他は大規模な公園はないが、住宅地のところどころに緑地や小さな子供向けの遊び場がある。
池のある閑静な住宅地区
Darmstadt Ost
もとは16世紀に造られた防火池で、現在は夏に涼を求める市民の憩いの場となっているWoogを中心とするWoogsviertel、 20世紀初頭から宅地造成が始まった、庭付き邸宅が立ち並ぶKomponistenviertel、19世紀末、ヘッセン=ダルムシュタット大公の招きで集まった芸術家たちの村・Mathildenhöheの3つの地区からなる。
特にMathildenhöheには、建築当時そのままの姿を保ったアールヌーボー様式の建築物が多く、非常に閑静な、ダルムシュタット一の高級住宅地となっている。
Woogsviertelに小さなスーパーがあるが、KomponistenviertelとMathildenhöheは商店が非常に少ない。
夏には野外水泳場となるWoog、夏季にはバラの咲き乱れる大公一家ゆかりのRosenhöheがある。
Rosenhöheについては、こちらをお読みください。

郊外の古い町
Arheilgen
市街から路面電車で20分ほど北に位置する。11世紀ごろの古い村が起源で、20世紀になってからダルムシュタットに編入された。
1990年代以降は地区の南側で大規模な開発が行われ、住宅地が拡大。一方、昔からの村落的な雰囲気が色濃く残る地区は、住民も古くから住むドイツ人が多く、外国人住民の割合が市街の平均より低くなっている。各種スーパーもあり、日常の買い物には不自由ないが、子供の習い事などは選択肢が限られるため、市中心部まで出かけることになる。庭付き戸建てや棟続きの低層住宅が多い。
フランクフルト空港発着の飛行機が上空を頻繁に行きかい、騒音問題がある。
外国人が多く国際色豊かな地域
Kranichstein
市中心部から路面電車で15分ほど北に位置する、1960年代から開発された新興住宅エリア。開発当初に建てられた高層集合住宅、近年建てられたファミリー向け低層マンション、平屋のバンガロー式住居、棟続きの庭付き省エネ住宅など様々なタイプの住居がある。地区北部にはホテルと博物館を備えたクラーニヒシュタイン城や馬場があり、豊かな自然に囲まれた環境。
食品スーパーのEDEKA、Lidlのほか、ロシア系スーパー、トルコ系スーパーがある。
湖の周りの公園・Heinrich-von-Brentano-Anlage、住宅街の中心には遊具のある小規模な公園・Spielplatz K6がある。
郊外の人気のある地域
Eberstadt
ダルムシュタット市街地から路面電車で南へ20分の距離にある、18世紀ごろから発展した町。地区の北には20世紀初頭に建てられた邸宅街が広がり、西と南には20世紀後半に建てられた高層住宅が、乗馬を楽しめる遊歩道に面した自然豊かな東エリアには庭付き戸建てが並ぶ。花王ドイツ支社の所在地。
食品スーパーのREWE、Aldi、nah und gutのほか、地元の野菜や果物を扱うObstmarkt Rückert、ロシア系スーパーなどがある。
特に大きな公園はないが町全体が森に囲まれており、緑豊かな環境。
郊外の町
Wixhausen
Arheilgenのさらに北に位置する町。近辺の重イオン研究所に勤務する研究者とその家族が多く住む。Arheilgenと同様、飛行機の騒音対策が課題となっている。
まとめ
ダルムシュタットは、学生・研究者・家族連れのすべてにとって過ごしやすい都市です。中心部のLuisenplatz周辺は利便性が高く、静かな住宅街や緑豊かな公園も多いため、非常に良い環境です。エリアによって雰囲気が異なるので、住む前に各エリアの特徴を知っておくといいですね。
文:ハイナー
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