アーヘンは、旧市街を中心に歴史と近代文化が調和する魅力的な街です。アーヘン大聖堂がある市街地、ドイツ人が多く住む静かな住宅街、トルコ系スーパーやレストランが集まり活気にあふれるエリア、学生が多く集うにぎやかな繁華街、そして落ち着いた雰囲気の高級住宅街など、エリアごとに異なる街の魅力を楽しむことができます。
アーヘンのおすすめエリア
アーヘン大聖堂がある旧市街
市街地:Innenstadt
旧市街は、古くから街の中心として栄えてきたエリアです。世界遺産第一号の1つであるアーヘン大聖堂を中心に、カール大帝の玉座がある旧市庁舎や、石畳が美しい街並みが広がります。このエリアは観光客だけでなく地元の人々も多く訪れ、雑貨店やレストラン、カフェが立ち並ぶ旧市街らしい雰囲気を楽しめます。
また、このエリアの物件は歴史的な趣のある古い建物が多く、世界遺産の鐘の音を聞きながら暮らせるという特別な体験ができるのも、市街地ならではの魅力です。
特に週末には大聖堂と市庁舎を結ぶ石畳が人々で賑わい、家族連れや観光客が集う光景が広がります。利便性の高さや豊富な飲食店から、学生にも人気のエリアです。
市庁舎前の広場では、決まった曜日に市場が開かれ、新鮮な野菜、鮮魚、チーズなどが並びます。オランダに近いアーヘンは、新鮮で美味しい魚が楽しめる街としても有名です。市場では魚をその場で焼いてもらったり、サンドウィッチにして味わうこともできます。広場中央のカール大帝の噴水周辺は、学生や家族連れが集い、憩いの場となっています。12月には華やかなクリスマスマーケットが開催され、賑やかな雰囲気に包まれます。寒さ厳しい冬でも、温かなグリューワイン片手に、皆おしゃべりや散策を楽しむ姿が見られます。
アーヘン大聖堂に隣接している大聖堂宝物館、18世紀頃の生活様式をロココ調の家具と共に再現したクーヴェン博物館、1935年当時ドイツで最年少の音楽監督であったカラヤンが音楽総監督に任命されたアーヘン市立歌劇場、学会やバレエのコンサートが開催されるEurogress、ズエルモントルードヴィヒ美術館など、文化施設も充実しています。
アーヘン大聖堂周辺にはショッピング街が広がり、買い物や食事が楽しめます。デパート(Kaufhof)やショッピングモール(Aquis Plaza)をはじめ、スーパー、H&M、C&A、大型靴店などがあり、衣料品、食料品、雑貨、学用品など、必要なものがほぼ揃います。また、レストランやパン屋、アイスクリームショップも点在しており、買い物途中に一息つくのにも最適です。
市街地に住むなら、まずはアーヘン大聖堂について知ることをおすすめします。その歴史や背景を知ることで、日々の生活がより魅力的なものになるはずです。アーヘン大聖堂についての詳細はこちらをご覧ください。
アーヘン工科大学メインキャンパス
旧市庁舎前広場の北側には、アーヘン工科大学のメインキャンパスがあります。このエリアは他の地域と同様、インターナショナルで若々しい雰囲気が漂い、キャンパスが集中しているため、学生にとって非常に便利な環境です。また、市街地から少し離れているため静かな環境が保たれており、ご家族で住むにも適した場所です。
メインキャンパス近くにあるSuper-Cでは、留学生が滞在許可証などを申請することができます。歴史の重みを感じるメインキャンパスとは対照的にSuper-Cは近代的な建物です。
アーヘン中央駅
アーヘン大聖堂前に位置するエリーゼンブルネンからは、市内各所へ向かうバスが頻繁に運行しており、どこへでも手軽にアクセスできます。また、アーヘン中央駅からはケルンやデュッセルドルフ、フランクフルト、ベルリン、パリなどの大都市へ直通列車が出ており、国内外への移動が大変便利です。
中央駅周辺には、単身者やご夫婦向けの比較的小さめでお手頃な物件が多く揃っており、利便性の高さが魅力です。
アーヘンで一番人気のエリア
ブルトシャイド:Burtscheid
アーヘン中央駅から徒歩10分、市街地へも30分ほどのブルトシャイドは、ドイツ人にとても人気があるエリアです。かつてはアーヘン同様、高温の温泉で知られる独立した町でした。現在も温泉が湧き出ており、自由に持ち帰ることが可能です。利便性、治安、教育環境、街並みの美しさなど、あらゆる点でバランスが良く、子育て世帯やカップル、学生など幅広い層に支持されるエリアです。
毎週水曜日には市場が開かれ、新鮮な魚や果物、花などを購入できます。市場の鮮魚店では、焼きたての魚やサンドイッチをその場で味わうこともできます。
中心部には、レストラン、カフェ、アイスクリームショップが立ち並び、ヨーロッパらしいおしゃれな雰囲気を楽しめます。通り沿いの噴水では、夏になると子供たちが水遊びを楽しみ、周辺にはテラス席での朝食や散策を楽しむ人々が集います。
スーパーとドラッグストアは充実しているので、買い物には困りません。
エリア内には、フェルバーパーク(FerberPark)とクアパーク(KurPark)という2つの美しい公園があります。芝生や子供用の遊具、バスケットボール場が備わるフェルバーパークでは、家族連れや高齢者がリラックスした時間を過ごし、クアパークでは野外クラシックコンサートなどが開催されます。
「悪魔と砂の山」の伝説のある街
ルースベルク:Lousberg
市街地の北にある、緑に覆われた丘を中心とするエリアです。地元の人たちが好んで話したがる有名な伝説「悪魔と砂の山」に彩られたこの丘は、ウォーキングやジョギングコースとしても人気です。自然を楽しみながら伝説に思いを馳せることのできる特別な場所として親しまれています。また、クレフェルダー通り北にはデュッセルドルフやケルンへ向かう高速道路の入り口があります。
悪魔と砂の山
アーヘン大聖堂を建てる際、市民が悪魔を騙して作業を手伝わせたことに悪魔は激怒し、復讐を企てました。悪魔は北海の砂を袋に詰め込み、アーヘン全体を砂で埋め尽くそうと計画しました。しかし、目的地に近づいた悪魔は、途中で「ルース」という貧しい少女に出会います。悪魔がアーヘンまでの距離を尋ねると、少女は自分の服と靴を見せて「アーヘンの市場で買ったばかりなのに、すでにすり減ってしまった」と答え、アーヘンはまだ遥か遠くだと思わせました。この言葉に騙された悪魔は計画を諦め、砂の山をその場に捨てて去ったのです。丘の名前「ルースベルク」は、この賢い少女「ルース」にちなんで名付けられました。アーヘンの市民が「悪魔さえも欺くほど賢い」と評される所以でもあります。現在、この伝説は丘の上にある「悪魔と農婦のブロンズ像」によって記憶されています。
丘の上の展望タワー
かつて給水塔だった「丘の上の展望タワー:Drehturm Belvedere」は、高さ35メートルで最上階に回転式レストラン「Mundart(現在は閉店中、、、)」がある穴場観光スポットの1つです。最上階からは、アーヘン市全体と国境を眺めることができます。
丘の斜面の住宅地は豊かな自然に囲まれ、市街地まで徒歩わずか10分という利便性を兼ね備えています。
ポント通り
大学のメインキャンパスに近いポント通りは、カジュアルなレストラン、バーなどが軒を連ね、昼夜問わず賑わうエリアです。ドイツ、和食、中華、韓国、エスニックとなんでも揃っており、お手頃価格で食べれるので、特に学生にはお勧めの場所です。
壮麗な外観の家々が連なるエリア
フランケンベルク:Frankenberg
市街地の東にあり、アーヘンで一番きれいな並木通りがある人気の散策エリアです。
19世紀後半に建てられた古い建物が特に多く、凝った装飾の外壁や華麗なバルコニーなど、壮麗な外観の家々が通りに連なっています。ダンスホール並みの天井高を持つ広々とした部屋に住めば、優雅な暮らしを満喫できること間違いなしです。
通りにはレストランやカフェが並び、Neumarkt広場周辺のテラス席で食事を楽しむことができます。
また、中世のお城を小高い丘の上に臨む「フランケンベルク公園」では、青々とした芝生や子供向けの遊び場でくつろぎのひと時を過ごせます。戦時中の防空壕を改造した公園脇のライブハウス・Musikbunkerでは、1年を通してさまざまなライブ演奏があります。
数多くのビーガンやオーガニックのレストランが美しい町並みに溶け込むこのエリアは、流行に敏感な多くのアーヘン市民を引きつけています。
アーヘンで家族向けの家が多いエリア
ハンゲヴァイアー:Hangeweiher
アーヘン市の南に位置し、市街地からそう離れていない徒歩で30分のこのエリアは、庭付きの大きな戸建て希望のファミリーにおすすめの場所です。
大きな池のあるハンゲヴァイアー公園では、ボート(Tret- und Ruderbootfahren auf dem Hangeweiher)を漕いだり、夏に屋外プール(Freibad Hangeweiher)で楽しむことができます。50 x 21 mの大きな大人向けのプールに加え、くるくる回る小さな水車など遊具も至る所に設置してある幼児向けのプールもあります。公園に併設されているカフェレストラン・ハンゲヴァイアーでゆったりとした時間を過ごすこともできます。
Hangeweiher公園についてはこちらをお読みください。
このエリアには、シュタイナー学校や私立のバイリンガル幼稚園、2軒の比較的新しい大型スーパーなどがあり、娯楽、教育、商業施設が充実しています。特にスーパーEDEKAは内装がとても洗練されており、REWE同様に日本人に好まれています。野菜や肉、チーズの種類も豊富で、ドイツでは一般的な精肉店の対面販売が苦手な人でもパック売りが充実しているので安心です。
市街地や、ハイキングコースが豊富な森が広がるアーヘンの南エリアへも、バスで容易にアクセスできるので利便性が良い場所です。
閑静な住宅街
シャンツ / ヘルン:Schanz/Hörn
市内各所に分散しているアーヘン工科大学の関連施設が特に多く集まっているのが、アーヘン市西部のこのエリアです。研究所や講義ホールが多い一方、大型スーパー、幼稚園、屋内プール、West公園などもあり、学生の町というよりは緑に囲まれた静かな住宅地として人気があります。
市街地の南西端に位置するSchanz駅からはデュッセルドルフ行きの列車が出ており、また、市内各所にある大学施設や、オランダ側の国境の美しい町・マーストリヒトへはバスで容易にアクセスできます。
Hörn地区は庭付き戸建ての多い、閑静で自然豊かな住宅街で、主要な研究所があることからアーヘン工科大学の教職員が多く住んでいます。
オランダとの国境沿いで研究所があるエリア
ファールス / メラーテン:Vaals/Melaten
アーヘン西部のVaalserquartierは、オランダの町・ファールスと国境を隔てる、高級住宅が連なるエリアです。
ドイツとは異なる品ぞろえのオランダのスーパーや商店、レストラン、文化施設などがあり、地元産の新鮮な食品を扱う市場が毎週開かれています。
エリア南の牧草地と森を徒歩で行けば、地元の人々にも人気の、ドイツ、ベルギー、オランダの3国の国境が交わる地点「3点ポイント(Dreiländer-Punkt)」へたどり着きます。実際には、少々徒歩で行くには遠いですが。3点ポイントについてはこちらの記事の下段をお読みください。
メラーテンキャンパス
北にはアーヘン工科大学の最先端研究施設を含むMelatenキャンパスがあり、世界中の優秀な研究者が集まっています。そしてその独特な建築スタイルから評価は分かれるものの、大学病院としてドイツで唯一、歴史的保護建築物に指定されている、著名なアーヘン工科大学附属病院があります。全く病院には見えない外観ですが、一見の価値があります。また、Melatenキャンパスにあるメンザ(学食)は、安くて美味しくてボリュームがあって大変おすすめです。学生でなくても誰でも行くことができるので、子供と一緒にママ友と行くのもおすすめです。
高級住宅街
ラオレンスベルク:Laurensberg
およそ50年前、独立した町だったLaurensbergが周辺の村と合併してできた、アーヘン近郊最大の地区で、市街地の西エリア全体をカバーし、オランダと国境を接しています。市の北西に位置するLaurensbergの中心部へは、市街からバスでわずか15分と至近で、広い敷地の戸建てが数多く並ぶ高級住宅地として人気が高いです。アーヘン工科大学の研究所に近接した、富裕層の多い良質な住環境は、大学教授など上層レベルの大学関係者たちに好まれています。
エリアの大部分は郊外の農村で、見渡す限りの牧草地が広がる風景はウォーキングやサイクリングに最適です。ゴルフクラブや国際馬術大会(CHIO)の関連施設、さらにはスイスのチョコレートメーカーLindtのアウトレット工場もあります。
インターナショナルで活気あふれるエリア
オスト:Ostviertel
以前は工場地帯であった市東部のOstviertelは、現在ではインターナショナルな活気あふれるエリアとなっています。
通常の買い物はもちろん、トルコ、中東、ロシア、アジア系の商店や食料品店も充実しており、様々な外国料理のレストランがあります。
高速道路のA554号線を利用すれば、ケルン、デュッセルドルフ、ブリュッセルへと快適にアクセスでき、また地区内のRothe Erde駅からアーヘン中央駅までは所要時間わずか3分で、さらにそこからノルトラインヴェストファーレン州の主要都市に向かうことができます。
また、広々としたケネディ公園や屋内プールがあります。
複数の小・中・高校、市立の音楽学校があり、エリア郊外にはフィリップス、コンチネンタル、グリューネンタールといった有名企業の拠点があります。
戸建てが多く人気のある郊外
ブラント:Brand
市の南東に位置する Brandは、他のアーヘン周辺地区同様、かつては独立した村落でした。
Markt広場に雄々しく立つ牡牛のブロンズ像は、より強大な近隣地域に一度ならず抵抗した歴史を持つ、Brand市民の独立心の象徴です。
敵対することもあったアーヘンの一部となった今日は、庭付きの大きな一戸建てが多く建っています。
充実したショッピング施設、学校、スポーツ施設、町立プールなどが揃った、暮らしやすい街として人気です。
また、幹線道路のTrierer通りによって西側でアーヘン中心街と直結しており、市街地へもバスでスムーズにアクセスできる地理的優位性がこの地域の魅力を高めています。
さらに、エリアの境界上には高速道路があるため、アーヘンのどの他エリアよりも早くデュッセルドルフやケルンに到着することができ、また、高速道路を挟んだ位置にある、グリューネンタール、FEV、Baborといった主要企業への地域住民の通勤時間は10分以下ととても便利です。
東にはInde川沿いに美しい谷が広がり、趣ある中世の町・Kornelimünsterへは自転車で気軽に行くことができます。
物件の探し方
エリアの候補が決まっていても、特に海外の見知らぬ土地でアパートを探すことは大変な作業です。日本から探す場合は、Immoscout を活用するのが一般的です。しかし、アーヘンは賃貸激戦区であり、特に人気のエリアで条件に合う物件を見つけるのは容易ではありません。
おすすめのエリアにこだわりすぎず、候補を広げることも成功の秘訣です。エリアごとの特徴を知りながら、自分に合った物件をじっくり探すといいです。
アーヘンでのアパート探しに関する詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
アーヘンは治安が良く、自然と都市の利便性が調和した住みやすい街です。家族連れや学生、単身者に合わせた多様なエリアがあり、ニーズに応じた選択が可能です。特に、歴史と自然が共存する「Brand」や家族向け住宅が多い「Hangeweiher」など、それぞれの特徴を活かしたエリア選びがポイントです。アーヘンでの生活を快適に始めるために、現地情報を活用しながら最適なエリアを見つけましょう!
文:レンガ
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