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LIFE IN GERMANY
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知らなかった!ドイツの物件探しってこんなに大変だったの?!

渡独が決まったらまずはアパートを見つけたいところ。ですが、大都市は慢性的に空き物件がなく、アーヘンも同様、物件探し激戦区です。日本人からすると、不動産会社へ行けばすぐにおすすめ物件を紹介してもらえるだろう、と思うのですが、残念ながらそれはありません。プロに頼まずご自身で物件を探す場合は、渡独前に物件探しの時間を十分にとり、渡独前に物件を決めることが重要です。

日本と全く異なる物件探し

日本のように、ネットで検索して内見依頼のメールを送ればすぐに日程が調整できたり、不動産会社に行けば席に案内されて、お茶を飲みながらいくつか物件を提案してもらえる、といったことはドイツでは期待できません。全く違うんです。ドイツは、そこまで親切でスムーズな国ではありません。では、具体的に何が違うのでしょうか?

どこの地域も慢性的に空き物件がない

10年前と比べて、現在(2024年)は驚くほど物件探しが厳しくなっています。もともとドイツ全体で物件が少なかったところに、コロナや戦争、物価上昇といった影響で家賃が高騰し、引っ越す人も減っている一方で、海外からの入国者は相変わらず多く、物件が見つからない状況が続いています。大都市、中都市、どこの地域も状況は同じで、空き物件が見つからない状況が続いています。

内見依頼のメールに返信はほぼ来ない

日本人だからというわけではないですが、不動産会社経由、家主様直物件どちらも内見依頼メールにはほとんど返信がありません。英語で送った場合はなおさらです。返信があったとしても、だいたい2〜4週間後くらいで、忘れた頃にやっと届く感じです。

内見を獲得するまでにかなりの時間を要する

内見依頼のメールに返信が来ないこともありますが、断りのメールが届くこともあり、内見の予約を取るまでにはかなり時間がかかります。中には、1件の内見を獲得するのに半年かかる人もいます。かなり凹むと思いますが、めげずに出し続けてください。ご自身で日本からやる場合、ひたすらメールを出す以外、内見予約を獲得できる方法はありません。

内見しても家主様に気に入られなければ契約できない

内見希望者が何人かいる場合、最初に内見したからといって必ず契約できるわけではありません。大切なのは、家主様に「この人なら安心して貸せる」と思ってもらうことです。家主様を安心させるポイントは以下。

  • 家賃を払えるだけの十分なお金はあるか
  • ご自身の身分の証明
  • 騒いだり家を壊したりする要素はないか

不動産会社の対応

日本とは違い、「お客様ファースト」ではないので、ホスピタリティは期待できません。ぶっきらぼうな人もいれば、仕事を淡々とこなすだけの人もいます。こちらからアクションを起こさないといけない場合も多々、、、たとえば、「返信待っててね」と言われてそのまま待っていると、返信が来ないことも。確認の連絡をしても「待っててと言ったでしょ!」と怒られることも。これが一般的なので、気にする必要はありません。

ネット以外では内見予約を受け付けていないことが多いので、その場合、不動産会社に直接行っても追い帰されます。

不動産会社と家主直接契約の2パターン

日本は不動産会社を通して物件を借りる人がほとんどですが、ドイツでは個人で直接貸すことも可能です。10年前は個人:不動産会社=8:2でしたが、現在(2024年)は個人:不動産会社=6:4です。

KaltmieteとWarmmiete

家賃は、Kaltmiete(部屋だけの値段)Warmmiete(部屋と共益費、光熱費を含んだ値段)があります。物件情報のところにどちらも必ず書いてあるので確認してください。特に、Warmmieteの中に暖房費やインターネットなど何が含まれているのかが大切なので見落とさないようにしましょう。

Kaltmieteだけ見るととてもお手頃な値段に見えるのですが、実際にはWarmmieteを払うので、一気に値段があがります。お気を付け下さい。

不動産会社の仲介手数料はない

数年前に法律が改正され、不動産会社に仲介手数料を支払う必要はなくなりました。でも、どこかで費用が上乗せされているのは事実なのですが、、、もし、不動産会社から「仲介手数料はいくらです」と言われた場合、きっぱりと「払う必要はありません」と伝えてください。日本人は違和感があってもつい我慢してしまいがちですが、ドイツに住むのであればしっかり主張することが重要です。

弊社のような仲介業者はサポート料金が発生しますので、混合しないようにお気を付け下さい。

物件探しが最も激戦なのはいつ?

学生にとって、特に8月から10月にかけての物件探しは超激戦です。弊社アーヘンにも、遠くミュンヘンやベルリンからサポートの依頼が届くほどです。日本で物件が見つからず、渡独してから探そうとする学生さんもいますが、結局見つからずにホテル暮らしを続けるケースも少なくありません。8月前半までに物件を確保しておくのが理想です。

企業や医師、大学関係者の研究留学の場合は、研究の開始時期がそれぞれ異なるため、時期は関係ありません。その代わり、家族向けの物件、特に80㎡前後の手頃な価格帯の物件に人気が集中するため、その広さや価格帯で探すのは非常に難しいです。また、家族の人数によっても条件が変わるため、家族向けの物件探しは一年を通して大変です。

家具付きと家具無しどちらが見つけやすい?

家具付きアパートは不動産会社を介していることが多いので比較的楽に探せます。また、水道やガスなど全て含まれている場合が多いので入居・退去が煩わしくありません。一方で、広さや場所を考えた場合、家具無しと比べるとかなり割高です。

家具無しアパートは個人が出している物件と不動産会社が出している物件両方あります。比較的お手頃で、広さ・立地共に満足する物件が多いです。ただ、ライバルが非常に多いのでなかなか内見の返信が来きません。また、内見時には契約すると言っていたのに結局契約できない、など難しい面もあります。家具無しアパートについてはこちらをお読みください。

どこで賃貸物件を見つけられる?

ドイツで最も利用されている不動産検索サイトはImmoScout24です。掲載されている物件には、不動産会社が扱うものと家主が直接出しているものがあり、ほとんどが家具無し物件です。ただし、ドイツに住みたい人々が世界中からアクセスしているため、競争が非常に激しいです。

物件情報を確認するときのポイントは?

ポイントは、キッチン、浴槽、エレベーターが付いているかです。

日本ではどこの物件にもキッチンが付いていますが、ドイツではキッチン付きアパートは希少です。検索条件に、キッチン有り、と追加すると検索結果がガクンと減り、キッチン無し物件の1/10程度になります。

浴槽やエレベーターの有無は、小さなお子様連れの場合はしっかりチェックしたほうがいいです。

内見依頼

ImmoScout24から簡単にメッセージを送信することができますが、定型文はないのでご自身で文面を考えて出します。興味があるので内見したい、という文面で大丈夫です。

物件探しの現状で説明した通り、内見依頼を出してもほぼ返信はありません。家賃が高額な場合は返信が早いのですが、70㎡~100㎡の家族向け物件、30㎡前後の単身者物件は激戦なので、どこの地域でもほぼ返信はないです。例えば、アーヘンでは家具無し物件で1000€/80㎡が相場で、このランクのアパートには内見依頼が殺到するので、ほぼ返信はありません。一方、2000€/100㎡の家具付き高級アパートに内見依頼を出した場合、比較的早く返信がきます。

詐欺には気を付けて!

高級アパートではないのに返信がすぐに来たり、ドイツ語で出したのに返信が英語の場合は要注意です。前家賃や保証金の振込を要求してくる詐欺の可能性があります。多くの詐欺物件は掲載情報に違和感があります。例えば、アーヘンの人気地区Burtscheidで家具付きアパート650€/80㎡、室内写真もオシャレに掲載!このような物件は家賃から疑うべきなのですが、なかなか物件が見つからない場合はつい飛びついてしまいます。少しでもおかしいなと思ったときはもう一度よく掲載情報と返信内容を確認して下さい。

内見時の重要ポイント

アパート内は、キッチン、カーテンレール、電気のシーリング、エアコンなど日本では当たり前に付いている物がないので広い箱の様です。内見時にチェックすべきことは、キッチンがある場合は食洗器の有無、浴槽の大きさ、バギー置き場、洗濯機置き場、アパート内の匂い、周辺環境などです。

ドイツの賃貸物件は日本とは少々ことなるので、こちらもお読みください。

また、前住人が使用していた、キッチン、電気、カーテンなどを残してもらいたい場合は、内見時に不動産会社に確認するか、前住人と直接交渉するといいです。

キッチンはどうする?

キッチン無しのアパートの場合、キッチンを自身で購入するか前住人と交渉して引き継ぐことになります。内見時に現住人がいればその場で交渉してもいいですし、不動産会社を仲介している場合は交渉をお願いすると良いです。キッチン有りの場合、食器を洗う習慣がないドイツではシンクがとても小さいので、食洗器が付いているかを確認するといいです。

バギーはどこに置く?

エレベーターがない場合、バギーをどこに置くかはとても重要になります。玄関の前や家の中に置くのであれば、バギーを担いで階段を上り下りする必要があり、かなりの重労働です。特に子供がバギーで寝ているときはそのまま担いで階段を上る必要があるため腰がやられます。アパートによってはエントランスにバギーをそのまま置けたり、畳めば置けたりする場合があるので、内見時にバギーの置き場所を確認することは重要です。

洗濯機置き場はどこにある?

ドイツの多くのアパートには地下があります。各家庭毎の物置があったり、共同の洗濯機置き場や洗濯干し室があります。地下に洗濯機置き場があることは悪くはないのですが、エレベーターがないアパートの上階に住んでいる場合、洗濯物の持ち運びが大変です。筆者が住んでいたアーヘンのアパートは洗濯機は室内に置けたのですが、地下に共同の洗濯干し室があり、そこに洗濯機を置いている住人もいました。アーヘンでは外に洗濯物を干す習慣がないので、シーツ類など大きな洗濯物を地下に干せるのは便利です。

周辺環境はどう?

また、家の中だけでなく周辺環境のチェックも忘れずに。家族連れの場合は徒歩圏内にスーパーがあればいいですし、車を使わない場合はバス停までの距離も大切です。街中でしたらゴミのポイ捨てや騒音も確認した方がいいです。

家主さんは良い人?

内見時には家主さんがいますので、家主さんの人柄を見ることは最も大切なことです。アパートを借りた後にトラブルは必ずあります。その時に助けてくれる家主さんなのか見極められるといいですね。

契約書の注意点

契約書はその国の言葉で書かれていることが決まりなのでドイツ語です。日本語で書かれていても難しいのですがドイツ語だと必要な箇所を見落としてしまう可能性があります。家賃、解約、損害の責任範囲などの重要事項については、翻訳してしっかり把握しておくことが大切です。たまにものすごい量の契約書があり、弊社でも3日かかることもあります。

ドイツは全て契約書で決まります。非常に契約書は大切なので、流し読みをしないでしっかりと全部読み理解するといいです。

入居時の確認ポイント

入居日は、家主さん、または不動産会社と一緒に約1~2時間かけてアパートをチェックします。確認時はドイツ語または英語で行い、入居確認書にサインした時点で全て受け入れたことになるので慎重に実施して下さい。

入居日に確認すべきことは何?

水道やガスメーターは、退去時にどれくらい使用したかの明細がくるので、使用開始時の写真を撮ると良いです。
キッチンは全ての扉を開けて壊れていないか、カビが生えていないか、窓は鍵がしまるか、問題なく開閉できるかをチェックしましょう。
鍵の本数は写真に撮るかメモを取ると良いです。もちろん、壁やドア、床にキズがないかも確認しますが、ドイツは壁や天井に穴を開けてもいいのでさほど気にしなくても大丈夫です。壊れているものに関してはしっかり入居日に見つけて、家主さんにすぐに修理依頼をすると良いです。やってくれるかは分かりませんが、、、

プロに頼むのと自分で探すのはどちらがいい?

上記で「物件探しから入居まで」をサラリと書きましたが、実際にはこれ以外にもやることが山ほどあり、必ずトラブルは発生します。内見、契約、入居後、何も問題がなかったという方に出会ったことがありません。とにかくトラブル対応が大変なので、できる限りトラブルを回避しながらスムーズに進めることが重要です。そのポイントを知っているのはプロなので、費用はかかりますが、プロに全面おまかせが、安心でストレスフリーです。

ただ、日本のみからサポートする企業はやめた方がいいです。現地の企業または現地にスタッフがいる企業であれば、不動産会社や家主様とのコネクションが強く、現状も把握しています。また、ネットワークを活かして、驚くほどのスピードで物件を見つけることもあります。「あんなに苦労したのに、どうしてこんなにすぐに見つかるの?」と驚くこともしばしばです。

社会人の方、特に家族連れの方は迷わずプロに依頼することを強くおすすめします。少し自分でやるなら1ヵ月で十分です。それ以上の時間をかけるのはもったいない、、、物件探しの時間と労力を考慮すると、プロなら安心して迅速に信頼できるサポートを受けられるので費用以上のものは十分にあります。

学生の方は比較的時間に余裕があることが多いので、自分で数ヶ月頑張るといいと思います。ただし、渡独前1ヶ月でも決まらない場合は、すぐにプロに依頼した方がいいです。「渡独してから決めよう」とは考えず、日本にいる間にしっかりと決めることが大切です。渡独後にすぐに物件が決まることはないです。

経験談

もう何年もお客様のサポートをしていますが、やはり原点は自身の物件探しの辛さです。

家探し

アーヘンで初めて家探しをしたとき、内見依頼の返信率の低さに意気消沈していると、おしゃれで利便性が良く家賃が通常の2/3のアパートが掲載されました。即ドイツ語でメッセージを出したところ、1時間後に英語で返信がきました。
”この物件は洗練されており市街へも近く最高のアパートです。申込みが殺到しているのでお早めに!”
とにかく返信がきたことが嬉しく早く契約しなくては、と焦る気持ちを抑えながら質問をしました。しかし、返信内容が質問とは食い違い、振込を催促してきました。不審に思い掲載住所へ行くと物件はなく、そのとき詐欺だと気付きました。危うく詐欺にあいそうになりましたが、気持ちを取り直して内見依頼を出し続け、やっと3件内見できました。しかしそこでも驚くことがありました。
1件目は、”家賃を払えるだけのお金があるか預金額を見せて欲しい”と言われ、、、
2件目は、”ぜひあなたに貸します”と言われた次の日に”他の人に貸すことにしました”と言われ、、、
もう半ば投げやりになっていたときに内見した3件目。やっととても優しい家主さんに会え、丁寧に家やゴミの捨て方、地域のことを説明してくださり、無事に借りることができました。そして困ったときはいつも助けてくれました。

入居後にまずやったこと

日本の賃貸物件は、壁に穴を開けたり、電気の配線を自分で行ったりなどやってはいけませんが、ドイツは、カーテンや電気が付いていないので自分でやらなければいけません。カーテンを設置するためにまずは窓枠を計測して、カーテンレールを付ける位置を計測し、カーテンレールとカーテンを買いに行き、DIYをして、やっとカーテンがつきます。電気も同様ですが、慣れない日本人には配線はドキドキします。電動工具で作業をするのですが、壁が硬い場合はなかなか電動工具が入らずかなり手こずります。このカーテンや電気の設置作業に2~3週間かかるので、内見時にある程度考えながら見ておくといいです。引越したらまずは電動工具を買うことを忘れずに!
アーヘンのアパートでカーテンと電気を付けたとき、家の作りが頑丈であったため、電気を付けるために天井に穴を開けようとするとなかなか電動工具が入らず、何本か折れてしまいました。より強度の強い電動工具を買ってきて再度トライ!してやっと開きましたが、全部屋終了するのに2週間ぐらいかかりました。電動工具を右手に、左手には掃除機を持って、天井に穴をあける。日本では考えられない作業ですね。

文:レンガ

アーヘンでアパートを借りたい、小学校や幼稚園を探したい、滞在許可証申請や銀行口座開設など研究留学のサポートをして欲しい、など弊社では経験豊富なスタッフが、アーヘンへ研究留学 / 赴任する方のリロケーションサポートをしています。留学準備はぜひプロにお任せください。

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