ドイツの幼稚園は日本とは異なり、同じ年齢の子供達が一緒に過ごす横割りではなく異年齢混合の縦割で、3才~6才までの子供達が同じクラスで過ごします。3才の子にとっては、お姉ちゃんお兄ちゃんから色々なことを学べ、6才の子にとっては、小さな子たちの面倒を見ることを学び、お互いに刺激になることが多いですね。人数はその年に入園した子供の数に依存するので、6才が多かったり、3才がほとんどいなかったり、ということもあります。また、ドイツは移民が多いので、幼稚園では多言語が飛び交っています。
入園式
ドイツでは、入園式はなく各園児で入園日が異なります。新学期の開始は8月ですが、園によっては、今年は入園者が多いので数名は7月から入園となることもあります。基本的には8月開始で1週間毎に1~2名ずつの園児が入園します(8月入園以外も同じです)。例えば、A君は8月1日に入園、Bちゃんは8月8日に入園・・・とみんな入園日をずらして、先生が新園児にしっかりと付いて慣らしていきます。初日は2時間、2日目は3時間、3日は午前中いっぱい、と徐々に時間を延ばしていきます。ママ / パパは隣の部屋で待機していることもできますし、園によっては帰ってくださいといわれるところもあります。たいていの幼稚園は、1週間ぐらい隣の部屋で待機になりますので、その間は何も予定は入れないほうがいいです。最初は、ママー!ママー!と大泣きなので隣の部屋で泣き声が聞こえるのですが、2週間もすると言葉は違えど楽しく遊んでいます。
園での過ごし方
ドイツの幼稚園は、入園式、運動会、勉強の時間などはありませんが、週1回、近所の森へお散歩へ行く日、図書館で本を読む日、体操をする日、皆で一緒に朝ごはんを食べる日などがあります。基本的にはどこの幼稚園も子供が好きなことをして遊んで過ごします。
食事は日本とは大きく異なります。一番の違いは幼稚園で朝食を食べることです。
朝食は食べたくない子は遊んでいても良いのですが、ほとんどの子供達が朝食を持ってきます。家で食べてくる子もいるので、軽食が多いです。例えば、小さなサンドウィッチ、リンゴ、ニンジン、おにぎり、などです。幼稚園によっては、園が朝食も提供もしくは週1提供ということもあります。全員そろって食べるのではなく、例えば、7時~9時の間で好きなときに食べることが多いです。
ドイツ人は、朝と夜は冷たい食べ物、昼は暖かい食べ物を食べるので、昼食は暖かい食べ物が幼稚園から提供されます。例えば、スパゲッティやピザなど。お弁当持参の幼稚園はほぼないです。また朝食とは違い全員そろって食べるので、日々異なる席順が楽しみでもあります。
3時にはおやつが提供されます。リンゴ、ニンジン、トマト、クッキーなど。園内で全員で食べることもありますが、先生が園庭にまな板とナイフを持ってきてリンゴをむき、遊んでいる途中で食べたくなった子がリンゴをもらいに来る、などおやつも自然の中で自由に食べています。
幼稚園バスはなく、お父さんお母さんが徒歩、自転車、車で送迎します。自転車は電動ママチャリがほとんどないので坂が多い地域ではかなり大変です。ドイツで頻繁に目にするのが、自転車の後ろに箱型の椅子を装着して車道を走っている自転車です。この自転車でくる方が多いですが、子供が自分で自転車に乗れるようになると自転車で来る子もいます。また、キックボードで来る子供も多いです。
園服はないので服装は自由です。ドレスで来たり、おもちゃのネックレスや指輪をはめていたり、メイクやネイルをしていたりと自由な服装で登園できます。
日本でも最近は男性の先生が増えてきましたが、ドイツは男性の先生が園に1人~3人いるところが多いです。
幼稚園の種類
運営者
日本同様、公立の幼稚園と私立の幼稚園があるのですが、その中で更に分かれています。公立は、市が運営・大学運営・教会運営、など運営母体がいくつかあり、それぞれで保育方針が変わります。基本的には市は誰でも申込みが可能です。大学運営の幼稚園は、親権者のどちらかがその大学に在学している必要があります。また教会運営の幼稚園は、先生が不在の場合は教会の牧師さんやシスターがお手伝いで来る場合があります。
公立幼稚園
市や大学、教会が運営する認可幼稚園で現地の子供達が通っています。
3才~6才までの幼稚園、2才~6才までの幼稚園、1才~3才までの幼稚園があります。1才~3才の幼稚園は入園は本当に激戦なので、入園できたらラッキーです。
どこの幼稚園も、園児20人前後の縦割り異年齢混合保育です。多くの幼稚園では、担当教諭2名+研修生1名が1クラスに配置されています。
料金は世帯収入によって変わります。
私立幼稚園
クラス編成は公立幼稚園と同じですが、担任以外に各担当教員(英語、絵画、体操など)が在籍し、バイリンガルを育てるなど各私立幼稚園で特色があります。
料金は非常に高く、午前中のみで€800-1000、午後1日足す毎に+約€100、平均で€1200-€1400/月です。保育内容はかなり良いのですが、どうしても値段が高いので通わせる人が少なく園児が少ないです。
インターナショナルスクールもあります。こちらも値段は非常に高いですが、共通言語が英語の場合が多いので、英語をメインとしたい人には良いですね。
TAGESMUTTER(保育ママ)
市から認可されているパパ・ママが、3才以下の子供を自宅または小さな部屋を借りて最大5人まで預かります。料金は公立幼稚園と同様で収入によって変動します。こちらも公立の3歳以下幼稚園同様、かなり激戦なので、もし預けたい場合は早めに市に相談することをおすすめします。申込みをしてから席が空いて契約完了するまでにかなりの時間がかかります。
料金は公立の幼稚園と同じで世帯収入によって変わります。
SPIELGRUPPE
0才~3才以下の子供と親を対象にした親子教室で、先生は保育免許を持った人が多いです。1クラス10人前後で先生が1人、場合によっては保護者が1人お手伝いします。
幼稚園が運営している場合もあり、3才になったら系列の幼稚園に優先的に入園できる園もあります。
みんなで歌を歌ったり、リトミックをしたり、季節ごとの行事を行ったり、お誕生日会をしたり。広い教室でやる場合が多いので、走り回りたい子供達にはとても良い場所です。また、ママ・パパの交流もあるので、両親もホッとできる場所です。
また、1才半~3才までの預け教室があり、多くの預け教室は午前中のみで、週2回程度開かれます。内容は親子教室とさほど変わらないのですが、工作や折り紙などがあり、自分一人で何かする機会が増えます。初めて預けるときは親子で緊張しますね。
料金は、親子教室でおおよそ週1回で€100/月です。預け教室は200€ぐらいと少々高いのですが、Spielgruppeによっても異なるので、詳しくは市や幼稚園にご相談下さい。
料金
ドイツは小学校から大学まで無料(外国人は大学は少し払います)なのですが、幼稚園は有料です。日本のように、幼稚園全体で一律なのではなく、世帯収入によって金額が決まりますので、園児一人一人で値段は変わります。州によって金額が異なりますので、その週の金額表をご確認下さい。料金の幅としては、無料~500€ぐらいです。例として、アーヘン市では、月収1000€で約70€です。
年長さん(5才)になると無料になります。早くなりたいですね。
その他に給食費がかかります。
公立幼稚園 | 私立幼稚園 | Tagesmutter | Spielgruppe | |
対象年齢 | 2〜6歳 | 0〜6歳 | 0〜3歳 | 1.5〜3歳 |
1クラス園児数 | 20人 | 10人 | 5人 | 10人 |
1クラス教員数 | 2〜3人 | 2〜3人 | 1人 | 1人 |
保育時間 | 07:30〜16:30 | 07:00〜18:00 | 08:00〜17:00 | 09:00〜12:00 |
料金(*1,2,3) | 0〜€500 | €800〜€1,400 | 0〜€450 | €100〜 |
開始時期 | 8月 | 8月 | 8月 | 常時 |
*1:公立幼稚園とTagesmutterの料金は、収入で変動します。日本人の平均料金は€280。
*2:私立幼稚園の料金は、週に何日預けるかで変動します。
*3:Spielgruppeの料金は、週1で預ける場合です。